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アイヌ語新聞「アイヌタイムズ」の記事「ミソサザイのお話」
(第33号、2004年(平成17年)3月31日(木)アイヌ語ペンクラブ発行 5〜7ページ引用)
(第33号日本語版、6月 日( )アイヌ語ペンクラブ発行 〜 ページ引用)

JIS X 0213を利用した多言語文書の処理の例」とリンクしてます。


ミソサザイのお話
 

(アイヌ語)
cakcak kamuy oruspe
チャチャ カムイ オルペ

[Esperanto]
La troglodito



この文は、Shift_JIS X0213 のフォントを指定していません。

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ミソサザイの巣は車置き場の中にありました。

(アイヌ語)
garzi onnay ta, cakcak set an.
ガレージ オンナイ タ、チャチャ セッ アン。

[Esperanto]
Troglodito havis sian neston en la remizo.
 

ある日のこと、親鳥二羽とも、子供たちのために食べ物を取ってこようと外へ飛び立ち、小さな雛鳥だけが巣に残されました。

(アイヌ語)
sinean to ta, cakcak mici cakcak hapo turano, iramante wa powtari a=ere kusu hopunpa wa paye hine, ne powtari set or un a=hoppa ruwe ne.
シネアン ト タ、チャチャ ミチ チャチャ ハポ トゥラノ、イラマンテ ワ ポウタリ アエレ クス ホプンパ ワ パイェ ヒネ、ネ ポウタリ セッ オ ウン アホッパ ルウェ ネ。

[Esperanto]
Iam la paro amba flugis eksteren por kapti man゙ajojn por la idoj, lasitaj solaj en la nesto.
 

しばらくして、ミソサザイの父親が巣に戻ってきました。

(アイヌ語)
iruka an kor, kor mici set or un hosipi wa ek akusu, powtari nep ka sitoma noyne siran.
イルカ アン コ、コ ミチ セトルン ホシピ ワ エ アクス、ポウタリ ネ カ シトマ ノイネ シラン。

[Esperanto]
Balda la troglodita patro revenis hejmen.
 

「なにがあったんだ?」と父親は聞きました。「子供たち、おまえたちに悪いことをしたのは、誰なんだ?どうしてそんなに怖がっているんだ?」

(アイヌ語)
"hemanta an? ku=kor sion, hunna eci=koyki ruwe an? hemanta kusu ene eci=sitoma hawe?" sekor hawean.
"ヘマンタ アン? クコ シオン、フンナ エチコイキ ルウェ アン? ヘマンタ クス エネ エチシトマ ハウェ?" セコ ハウェアン。

[Esperanto]
“Kio okazis ンi tie?” li diris. “Kiu minacis vin, infanoj? Estas vi ンiuj timigitaj!”
 

「ああ、パパ」と子供たちは言いました。「大きなおばけみたいなものが、今さっきやってきたんだ。すごく獰猛で恐ろしい顔をしてたんだ!おおきな眼で僕たちの巣を睨んだんだよ。ぼくたち、とっても怖かった!」

(アイヌ語)
powtari ene haweoka hi: "ho, ku=mici, poro kamiasi koraci an pe esir ek siri ne. sonno niwen pe ne wa nanuhu astoma p ne. poro sikihi maka wa un=enucisiske wa an na. iyohay sitomare!" sekor haweoka.
ポウタリ エネ ハウェオカ ヒ: "ホ、クミチ、ポロ カミアシ コラチ アン ペ エシ エ シリ ネ。ソンノ ニウェン ペ ネ ワ ナヌフ アトマ ネ。ポロ シキヒ マカ ワ ウネヌチシケ ワ アン ナ。イヨハイ シトマレ!" セコ ハウェオカ。

[Esperanto]
“Ho, paンjo,” ili diris, “炒s venis granda fantomaンulo. ロajnas, ke li estas tre sova゙a kaj terura! Li fiksrigardis nian neston per siaj okulegoj. Ni vere timis tion!”
 

「そうか、わかった、そいつはどこに行ったんだ?」と父親が言いました。

(アイヌ語)
"ohayne un, ne hemanta hunak un arpa?" sekor kor mici hawean.
"オハイネ ウン、ネ ヘマンタ フナ ウン アパ?" セコ コ ミチ ハウェアン。

[Esperanto]
“Mi komprenas,” la troglodita patro diris, “Kien li iris?”
 

「ええと、あっちの方へ行った」と子供たちが答えました。

(アイヌ語)
"tooni un arpa." sekor poho hawean.
"トオニ ウン アパ。" セコ ポホ ハウェアン。

[Esperanto]
“Nu” ili diris, “li iris for tiudirekten.”
 

「待っておいで」と父親が言いました。「そいつを追いかけて行ってやる。心配しなくていいんだよ、子供たち、お父さんがそいつをつかまえてやるから」父親はそう言って、飛び立って行きました。

(アイヌ語)
"en=tere wa oka yan, kese k=anpa kusu ne. nep ka eci=eranak ka somo ki no oka yan. ku=kor sion ne hemanta k=oskoni wa ku=koyki kusu ne na." sekor kor mici hawean kor, hopuni wa arpa.
"エンテレ ワ オカ ヤン、ケセ カンパ クス ネ。ネ カ エチエラナ カ ソモ キ ノ オカ ヤン。クコ シオン ネ ヘマンタ ココニ ワ クコイキ クス ネ ナ。" セコ コ ミチ ハウェアン コ、ホプニ ワ アパ。

[Esperanto]
“Atendu!” la troglodita patro diris, “Mi volas serンi lin. Ne plu ゙enu vin, infanoj. Mi volas kapti lin.” Post tio li flugis post li.
 

親鳥が道の曲がり角まで来てみると、そこを歩いているのはライオンでした。

(アイヌ語)
cakcak mici ru sittok or pakno hopuni wa arpa akusu, toan ta apkas pe raion ne siri ne.
チャチャ ミチ ル シット オ パノ ホプニ ワ アパ アクス、トアン タ アカ ペ ライオン ネ シリ ネ。

[Esperanto]
Kiam li venis ンirka la kurbi゙o, trovi゙is leono, kiu mar疂s la la vojo.
 

ミソサザイはライオンを怖れませんでした。ライオンの背中に舞い降りて、「何の用があってうちに来て子供たちを怖がらせたりしたんだ?!」とライオンを叱り始めました。

(アイヌ語)
korka, ne cakcak rion ne yakka sitoma ka somo ki. ne raion setur ka ta ran hine, "hemanta ne kusu k=unihi un e=ek wa ku=powtari e=sitomare ruwe?" sekor hawekoyki ruwe ne.
コカ、ネ チャチャ リオン ネ ヤッカ シトマ カ ソモ キ。ネ ライオン セトゥ カ タ ラン ヒネ、"ヘマンタ ネ クス クニヒ ウン エエ ワ クポウタリ エシトマレ ルウェ?" セコ ハウェコイキ ルウェ ネ。

[Esperanto]
Sed la troglodito ne timis. Li surdorsi゙is al la leono kaj ekriproンis lin. “Kial vi venis mian hejmon,” li diris, “kaj teruri miajn infanojn?!”
 

ライオンは知らぬ顔をして歩き続けました。

(アイヌ語)
ne raion anak kosiramuysamte kor apkas a apkas a.
ネ ライオン アナ コシラムイサテ コ アカ ア アカ ア。

[Esperanto]
La leono ne atentis ゙in kaj mar畭dis.
 

そこでこの小さな鼻っ柱の強い鳥は、ライオンを一層激しくなじりました。「おまえはこんなところに来る理由はないんだ、わかったか!もし、またやって来るようなことがあったら、目にものを見せてやる!こんなことは本当はしたくないんだが」と言いながら、親鳥は片脚を挙げました。「それでも、またやって来たら、この脚であっという間におまえの背中をへし折ってやる!」そう言って親鳥は巣に飛んで帰りました。

(アイヌ語)
ne cakcak pon korka rametokkor pe ne kusu, po hene yupkeno hawekoyki hawe ene an hi: "teor un e=ek kuni p ka somo ne. e=eraman ya? suy e=ek katu an yakun, yupke no eci=koyki kusu ne na! ene ku=ki hi ka k=etoranne korka..." sekor hawean kor, oatcikiri rikinka kor, "neun ne yakka suy e=ek yakun, ku=cikiri ani nani e=ikkewe ku=kaye kusu ne na!" sekor hawean kor, ne cakcak set or un hopuni wa hosipi ruwe ne.
ネ チャチャ ポン コカ ラメトッコ ペ ネ クス、ポ ヘネ ユケノ ハウェコイキ ハウェ エネ アン ヒ: "テオ ウン エエ クニ カ ソモ ネ。エエラマン ヤ? スイ エエ カトゥ アン ヤクン、ユケ ノ エチコイキ クス ネ ナ! エネ クキ ヒ カ ケトランネ コカ..." セコ ハウェアン コ、オアッチキリ リキンカ コ、"ネウン ネ ヤッカ スイ エエ ヤクン、クチキリ アニ ナニ エイッケウェ クカイェ クス ネ ナ!" セコ ハウェアン コ、ネ チャチャ セッ オ ウン ホプニ ワ ホシピ ルウェ ネ。

[Esperanto]
Pro tio la ゙ena uleto riproンis lin pli sova゙e. “Vi havas nenian rezonon esti tie, mi diras al vi! Kaj se vi venos refoje,” li diris, “nu, do vi scii゙os! Mi vere ne volas fari tion,” li diris kaj fine levis sian unu kruron, “sed tiam mi tuj rompos vian dorson per mia kruro!” Post tio li flugis reen al sia nesto.
 

「さあさあ、子供たち、もう大丈夫だよ。あいつにはよく言い聞かせてやったからね。もう戻ってくることはないよ。」と父親は言いました。

(アイヌ語)
"easir, ku=kor sion, tane pirka wa. pirkano ku=nure ruwe ne kusu, suy ek ka somo ki nankor." sekor hawean. tane pirka.
"エアシ、クコ シオン、タネ ピカ ワ。ピカノ クヌレ ルウェ ネ クス、スイ エ カ ソモ キ ナンコ。" セコ ハウェアン。 タネ ピカ。

[Esperanto]
“Jen estu trankvilaj, infanoj,” li diris, “mi sincere admonis lin. Li neniam revenos.”
 

出典
http://www.sassisch.net/rhahn/low-saxon/ls-story.html
このページには、次のようにあります。
Main source: Peter Martens, "Probleme der Rechtschreibung von niederdeutschen Vokalen und Diphthongen," pp. 101-189 in Heinrich Kahl, ed., 75 Jahre Fehrs-Gilde (1916-1991):
Jubilaumsschrift der Fehrs-Gilde, Hamburg (Germany): 1991.

地域言語の低地ザクセン(サクソン)語(低地ドイツ語:オランダ語を含む北ドイツ方言)の民話:「ミソサザイ」
ヨーロッパ評議会の「少数・地域言語のためのヨーロッパ憲章」を受け入れる際の声明(1998年1月23日)において、ドイツ政府は、北ドイツ一帯に広く分布する低地ドイツ語を独自の「地域言語」として認知しています。
[Esperanto]
Popola rakonto de la loka lingvo Platdiンa (Malsupra Germanlingvo): "La troglodito ”
En la deklaro (en la 23-a de januaro 1998) ンe akcepti 'E穩opan ラarton por plimalgranda kaj loka lingvo' de E穩opa Konsilantaro, la registaro Germanio rekonis la lingvon Platdiンan uzatan vaste en la zono Nord-Germanio kiel la unikan lokan lingvon.

De Tuunkruper (The Wren)
a Low Saxon (Low German) folktale in various orthographies with translations into other dialects and languages

Japanese Translation
by Reinhard F. Hahn, Seattle, USA, and Tomoko Kurata Gautier (蔵田智子), Chatillon, France
http://www.sassisch.net/rhahn/low-saxon/japan.htm

Ainu Translation (Japan)
by YOKOYAMA Hiroyuki, Hokkaido, Japan

Esperanto Translation (Japan)
by YOKOYAMA Hiroyuki, Hokkaido, Japan, and HOロIDA Acusi, Hokkaido, Japan



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